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会社で購入した高級外車の経費化は認められるのか(法人税調査)

2023.02.07

会社で購入した高級外車の経費化は認められるのか(法人税調査)

2022年11月、山口県知事がトヨタ自動車の最高級車「センチュリー」を公用車として購入したことについて、山口県の住民が違法な公金の支出だと訴え、裁判所が知事に対して購入金額(2090万円)の損害賠償を命じたことが話題に上りました(2023年1月現在控訴中)。

中小企業でも高級外車の購入をきっかけに税務調査に入られ、経費処理を巡って問題となるケースが多々ありますが、今回はイタリアの高級車「フェラーリ」の経費性を争って納税者が勝った事案がありましたので、ご紹介いたします(平成7年10月12日裁決)。

事案の概要

事案の概要

今回の事案の概要は以下の通りとなります。

  • 消費者金融を営むA社は、A社の社長X氏の通勤や出張時の交通手段としてイタリアの高級車「フェラーリ」を購入した。
  • 当該車両は2人乗りの排気量4.94リットルのスポーツカータイプの乗用車であり、購入金額は2700万円であった。
  • A社は、フェラーリに係る各種税金や保険料、減価償却費などを法人の損金として処理し、法人税等の申告を行っていた。
  • 後日の税務調査で税務署は、フェラーリはX氏への現物給与に当たるとしてA社の損金処理を否認、A社とX氏に対し課税処分を行った。
  • A社は税務署の処分を不服として国税不服審判所に審査請求を行った。
  • 会社で購入した高級外車の損金性は認められないという税務署の主張

    本件に関する税務署の主張は次の通りです。

    • フェラーリはイタリア製の高級スポーツカーであり、A社の事業内容や一般社会常識から判断して、個人的趣味の範囲内のものということができる。
    • 本件車両(フェラーリ)は、A社の関係書類等からみて事業の用に供された実績が明らかでなく、事業用資産であるとは認められない。
    • A社は同族会社であり、権限が代表者(X氏)に集中している。
    • 以上の理由から、A社の事業の用に供するために取得したものではなく、代表者の個人的趣味に基づき取得したものと認められるため、A社の事業用資産ではなくX氏の個人資産であるとして法人税の課税標準を計算するものである。

    会社で購入した高級外車の損金性は問題ないという納税者の主張

    一方の納税者の主張は次の通りです。

    • 本件車両(フェラーリ)は外国製の2人乗りの乗用車ではあるが、スポーツカーという特殊な車両ではない。
    • 本件車両はXが使用することから自宅の車庫に保管しているが、これは管理上危険があるためであり、自宅の車庫に保管していることが本件車両の損金性を左右するものではない。
    • A社は同族会社ではあるが、主要な業務運営は取締役会の決議に基づき行っており、Xに権限が集中している事実はない。
    • 一般的に社会人が物品を購入する場合は、物品の種類、形式、色彩、機能性、有効性又は処分時の経済性等を総合判断して決定するものであり、その際には、利用者の個人的趣味、使用目的又は財力が左右するのが当然である。
    • 以上の通り、本件車両はA社の事業の用に供している資産であるので、実情を著しく誤認し、殊更事実を歪曲した理由による処分は取り消されるべきである。

    国税不服審判所の判断

    国税不服審判所の判断

    両者の主張を聴取し、事実関係を調査した国税不服審判所は次のように判断しました。

    • A社は、本件車両の他にも会長及び役員用の乗用車としてロールスロイスとベンツを所有しており、これらの車両は、使用する役員自身が運転している。
    • A社の出張旅費規定によると、旅費は、交通費、宿泊料及び日当に区分され、社用車による日帰り出張の場合は旅費は支給しないことになっている。そして、A社の旅費精算書によると、X氏が出張した際は、交通実費としての通行料や宿泊料、日当は支給されているが、交通費は支給されていない。
    • A社が本件車両を選定した理由は、本件車両は、排気量が大きく堅固であるので、遠方の支店に出張する際は、安全性もあり、運転が楽であること、中古車として売却する際の価値もあるということであった。
    • X氏は、外国製の車両3台を個人的に所有しており、それらに関してはA社の経費には反映されていないことが確認できた。
    • 本件車両は、車検の記録によると購入から3年間で7598km走行しており、また、X氏へ通勤手当や出張旅費の手当等が支給されていない実態を踏まえれば、事業のために使用していたことが推認できる。
    • 本件車両が、主として使用するX氏の個人的趣味によって選定された外国製のスポーツカータイプの乗用車であるとしても、前記の通り現実にA社の事業の用に使用されていることが推認できる以上は、税務署の主張を採用することはできない。
    • 以上のとおり、本件車両は、A社の事業の用に供されたことが推認できること、また、X氏がA社とは別に外国製の車両3台を個人的に所有しており、A社の減価償却資産とはしていないことを併せ考えると、A社が本件車両をA社の資産として計上していることを不相当とする理由は認められない。
    • 従って、本件車両をX氏個人の資産として行った税務署の処分はいずれも取り消すのが相当である。

    会社で購入した高級外車の損金性は認められるかの判断基準

    いかがでしょうか。
    たとえ個人的な趣味で選んだ車であったとしても、法人の事業として使用している実態が証明できれば、経費性が否認されることはないということを国税不服審判所が示した事例でした。

    なお、法人の事業として使用していることの証明(立証責任)は納税者(法人)にあります。
    経費計上するためには、車に限らず、法人がその資産を購入するに至った経緯や、購入後の利用実態が説明できるよう、日々の記録や規程などを常に整備しておくことがポイントになります。

    この他にも、会社の経費計上についての解説や事例をご紹介した記事がございますので、こちらも併せてご覧ください。

    会社の経費計上についての解説や事例記事

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