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従業員の不正であっても法人に重加算税が課された事例(法人税調査)

2022.07.01

従業員の不正であっても法人に重加算税が課された事例(法人税調査)

法人経営者が法人の売上の一部を除外していた場合、申告漏れとなっていた法人税等に重加算税が課されることは当然かと思いますが、従業員が不正を行って売上の一部を着服していた場合はどうなるでしょうか。
法人にしてみれば被害者の立場であり、税務調査で初めてその事実を知ったような場合に、果たして法人に重加算税が課されるのでしょうか。

今回は、「従業員の不正であっても法人に重加算税が課された事例」をご紹介いたします(平成17年6月29日裁決)。

事案の概要

事案の概要

今回の事案の概要は以下の通りとなります。

  • Y社は歯科材料の卸売業を営む同族会社であった。
  • Y社の経理事務は、Y社の取締役で経理責任者であるAと従業員のBの2名であった。
  • Bは臨時職員として入社した後、5ヶ月後に正社員となり、現金出納帳の記帳や売上伝票の集計などの経理事務に専従していた。
  • Bは関与税理士に売掛入金伝票を提出する際に、売上伝票を集計した 「正当額」と売上集計表に記載された「圧縮後の額」との「開差額 (圧縮額)」に該当する売掛入金伝票を提出していなかった。
  • Bは期末棚卸金額算出のため各従業員が記載した棚卸原票の一部を書き換える方法で期末棚卸金額を圧縮していた。
  • 上記の方法で売上等を除外した金額は次の通りであった。
    平成12年8月期 490万円
    平成13年8月期 395万円
    平成14年8月期 866万円
    平成15年8月期 685万円
  • 上記4期分の税務調査でY社の売上等の計上漏れが発覚し、法人税等の追加徴収と合わせて重加算税が賦課決定されたが、Y社側は従業員の個人的は犯行でありY社に重加算税が課されるのは納得がいかないとして、国税不服審判所に審査請求を行った。

重加算税を法人へ課すべきだという税務署の主張

税務署の主張は次の通りでした。

  • 売上の圧縮行為に関しては、以下の事実からY社の隠蔽または仮装行為というべきである。
    • Bは売上に関する経理事務の担当者であったこと。
    • Bが作成した売上集計表や売掛入金伝票の提出を受けて、関与税理士が申告の売上金額を計算していること。
    • 売上圧縮額は少額でないこと。
    • B以外の者が入金伝票と現金を照合し現金出納帳を検討していれば、売上等の計上漏れは容易に判明したにもかかわらず、Y社がBに経理帳簿の記帳や現金管理を任せ切りにしていたこと。
  • 棚卸の圧縮行為に関しても、取締役で経理責任者であるAが、Bに対して棚卸原票の書き換えを指示した旨申述したことからすれば、棚卸圧縮行為はAの指示に基づき行われたものと認められ、Y社の隠蔽または仮装行為というべきである。
  • 国税通則法第68条において、納税者が事実の全部又は一部を隠蔽仮装し、その隠蔽仮装したところに基づき納税申告書を作成提出していたときは、当該納税者に対し、過少申告加算税に代えて重加算税を課する旨規定している。
  • 従って、売上圧縮行為と棚卸圧縮行為がY社の隠蔽仮装というべきことから、Y社に重加算税を課すものである。

重加算税の賦課決定処分は違法であるという納税者(Y社)の主張

一方の納税者(Y社)は次のように主張しました。

  • 本件の不正経理行為については、Bが自己の窃盗又は横領行為の発覚を防止するために行った不正行為である。
  • Y社が通常の調査をしても発見できない方法で売上等の圧縮行為が行われ、記帳や現金管理を任せ切りにした事実もない。
  • AがBに対して棚卸圧縮行為を指示した事実はないことからすれば、Y社に結果責任を課すべきではなく、課税主体であるY社の隠蔽又は仮装行為に該当しない。
  • 従って、本件重加算税の賦課決定処分は違法である。

国税不服審判所の判断

国税不服審判所の判断

両者の主張を聴取し、事実関係を調査した国税不服審判所は次のように判断しました。

  • Bは、現金の実際有高との照合や現金出納帳及び売上に関する帳簿の記帳並びに売掛入金伝票の整理などの経理事務を一人で行っており、Y社の経理事務の主要な立場であった。
  • 関与税理士がBから提出された売掛入金伝票や売上集計表に基づいて、決算及び確定申告に係る売上金額を計算していることから、Bの行った売上等圧縮行為は、Y社の確定申告に直接反映していると認められる。
  • Bを職務上管理する立場にあるAは、Bが作成した現金出納帳などの帳簿書類の点検及び当該帳簿書類と銀行預金口座入金額との照合をしていない。
  • 隠蔽仮装の行為は、納税義務者たる法人の代表者に限定されるものでない。
    そのため、従業員を自己の手足として経済活動を行っている納税者においては、隠蔽仮装の行為が代表者の知らない間に従業員によって行われた場合であっても、その従業員の行為を納税者の行為と同一視することが相当である場合には、法人自身が当該行為を行ったものとして重加算税を賦課することができるものと解するのが相当である。
  • 本件についてみると、実態を調査した事実関係からすれば、本件売上圧縮行為は次のとおり、Y社の行為と同一視されると認められる。
    • Bは請求人の重要な経理事務を担う地位にいたと認められること。
    • Bの作成した売上集計表がY社の関与税理士に提出され、売上集計表の金額がY社の納税申告に直接反映していること。
    • 本件売上等圧縮行為は、長期に及び、また、現金出納帳に記載された入金開差の回数が各事業年度の期間内に100回弱も存在すること。
    • Y社が現金出納帳の記載を踏まえ、売掛金回収額と銀行預金口座入金額ないしは売掛入金伝票と銀行預金口座入金額との照合をすれば容易に把握できたと認められる。
    • Y社は、それらの照合を行っていないことを総合勘案すれば、本件売上等圧縮行為がBの行為であっても、Y社の行為と同一視されると認められる。
  • 本件棚卸圧縮行為に関しても、Y社の期末棚卸資産を仮装し、簿外棚卸資産を作出する行為であり、本件棚卸圧縮行為に基づいて虚偽の申告がなされることは、Bにおいても十分認識していたと認められることから、Y社の行為と同一視されると認めるのが相当である。
  • 以上のことから、従業員であるBの不正経理行為は、Y社の行為と同一視され、Y社が不正経理行為に基づき各事業年度の課税標準等を過少に申告したものと認められる。
    これは、通則法第68条第1項に規定する納税者が国税の課税標準等の計算の基礎となる事実の全部又は一部を隠蔽し又は仮装したところにより、納税申告書を提出していたときに該当するから、重加算税の賦課決定処分は適法である。

従業員の不正であっても、法人へ重加算税が課される場合の判断基準

いかがでしょうか。
たとえ従業員であっても、会社の主要な業務を任され、通常の注意を払えば容易に発見できる不正行為を会社が管理監督せずに見過ごし、結果として過少申告が生じた場合には、会社の行為と同視することができるということです。

この裁決では、重加算税の判断基準を次の4点から総合勘案するとしています。

  1. 従業員はY社の経理事務を担う重要な地位にいた。
  2. 不正経理行為はY社の税務申告に直接反映している。
  3. 不正経理行為は長期に及び、現金出納帳などを確認すれば容易に把握できたと認められる。
  4. Y社はそれらの確認を行っていなかった。

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