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「フェラーリやクルーザーは経費になるか?」
2014.07.12
税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。(Vol.75)
■「フェラーリやクルーザーは経費になるか?」
消費者金融を営む某法人が、取引先の接待や従業員の福利厚生目的でクルーザ
ーを購入し、また、役員の通勤や出張時の交通手段用としてイタリアの高級外車
(フェラーリ)を購入し、法人の経費(減価償却費、租税公課、保険料等)とし
て申告納税していたこところ、「これは個人の趣味で購入した物であって事業用
資産とはいえず、これらに関する経費は法人の損金とは認められない」として税
務調査で否認されました。
法人側はこれを不服として審査請求を行ったところ、国税不服審判所では次の
ような判断を下しました。
《裁決》
◯クルーザーに関して
・運航実績の記録がなく、いつ、どのような目的で乗船したのか説明できない。
・従業員の福利厚生資産としての利用規定等がなく、全従業員が公平に使用でき
る状況にあるとはいえない。
以上のことから、本件船舶は当該役員の個人の用に供することを目的として購
入されたものとみるのが相当であり、船舶の取得のために支出した金員は当該役
員に対する賞与と認定した。
◯フェラーリに関して
・車両の検査記録で事業の用に使用していることが認められる。
・当該役員の出張の際に通行料や宿泊費は支給されているが、それ以外の交通費
は支給されていないため、当該車両が事業の用に使用していたものと推定できる。
・当該役員は別に外国製の車両3台を個人的に所有しており、これらに関しては
法人の経費には算入されていない。
以上のことから、個人的趣味の範囲のものであったとしても、事業の用に供し
ていることが推認できる以上は損金処理を否認することはできず、法人の処理を
全面的に是認した。
いかがでしょうか。クルーザーにしても、フェラーリにしても、個人的趣味で
購入されていることは大いに想像できるところですが、それだけで否認はできな
いということです。
問題は「事業の用に供されていたか否か」です。
税務調査の現場においても、「事業の用に供されている」ことの証明が最も重要
となります。この点は皆様も十分ご注意ください。
上記の事案においても、クルーザーに関しての運航記録や利用規定などを整備
して、事業用として利用していることが証明できていれば、違った結果になって
いたかもしれません。
今回もお読みいただきありがとうございました。
税理士法人レガート 税理士 服部誠
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