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従業員が不正を行ったが、法人に重加算税が課されなかった事例(法人税調査)

2022.08.01

従業員が不正を行ったが、法人に重加算税が課されなかった事例(法人税調査)

前回は従業員の不正であっても法人に重加算税が課された事例(法人税調査)という、従業員が不正を行って申告漏れとなった法人税等に対して、重加算税が賦課されたケースをお伝えしました。
今回は、同じように従業員が不正を行った場合において、法人に対する重加算税の賦課決定が取り消された事案をご紹介します(令和元年10月4日裁決)。

事案の概要

事案の概要

今回の事案の概要は以下の通りとなります。

  • X社は建物の総合管理を請け負う3月決算の法人であった。
  • X社の従業員数は18名で、部長と経理主任を除く16名の従業員は、 ビルの内装工事等について受注から完了までそれぞれが単独で担当し、施主との交渉や下請業者の選定等について会社から一任されていた。
  • 各担当者が下請業者を選定した際は、施主あての見積書を作成し、部長の決裁を受ける必要があった。
  • 従業員Gは平成17年入社後、主任・課長と昇進したが、業務内容と権限に変更はなく、在籍期間を通じて部下はいなかった。
  • 従業員Gは、下請業者として自己の親族の屋号Hを使った受注伝票を作成、請負代金としてH名義の請求書を作成してX社に交付し、H名義の口座に請求金額を振り込ませていた。
  • X社がH名義の口座に振り込んだ金額は、平成28年3月期が269万円、平成29年3月期が381万円で、X社はそれらをすべて外注費として処理していた。
  • 平成30年2月にX社の税務調査が行われ、Hに対する外注費が否認されるとともに、追徴となった法人税等に重加算税が賦課された。
  • 平成30年10月、X社は重加算税の賦課決定に不服があるとして国税不服審判所に審査請求を行った。

重加算税を法人へ課すべきだという税務署の主張

税務署の主張は次の通りでした。

  • 従業員GはHに対して工事を外注する意図はなく、Hの受注行為も認められない。そうすると、Hの各請求書は架空のものであり、各請求書に基づき外注費を計上したことは、実際には存在しない外注費の計上である。
  • X社が、Hを通じて他の業者が行ったと主張する各工事については、いつ誰がいくらで行ったものかも不明であるから、各工事の金額を外注費としてX社の損金に算入することはできない。
  • X社において、下請業者への支払については部長の決裁をもらうことになっており、本件外注費についても当該決裁を受けて支払われ、決裁を受けていない2件についても〇〇部の決裁を経ている。
  • 従業員G以外の者が、下請業者の実態や施工の確認を随時行っていれば、Gによる行為を容易に把握できたものであり、X社において従業員の不正が把握できなかったのは、従業員の業務に対する監督が不足していたことが原因というべきである。
  • 以上からすれば、従業員Gによる行為をX社の行為と同視でき、X社による「隠蔽・仮装」の行為に該当することから、X社に重加算税が賦課されることは違法ではない。

重加算税の賦課決定処分は不当であるという納税者の主張

一方の納税者は次のように主張しました。

  • 従業員Gは、独断で外注費を計上することにより、X社から各金員を詐取して個人的な遊興費を得ていたものである。
  • 従業員Gは、取締役への就任や経営に関与したことはなく、職制上の重要な地位に従事したこともない。また、X社の経理帳簿等に携わる職務に就いたこともない。Gは部下を持たず、他の各担当者と同様に、X社の顧客からの工事の依頼に基づいて工事の受注及び監督を行っていた一使用人であった。
  • 税務署は、従業員Gの業務範囲である、下請業者を選定し工事を発注することをもって、従業員Gの行為をX社の行為と同視できる旨主張している。しかし、個々の工事における外注先の選定及び発注を任せる権限委譲は、他社においても一般的に採用される当然の手続である。
  • 従業員Gは、Hをどの工事に関与させるかについて様々な態様を取っており、上司等が決裁過程において不信を抱かないようにしていた。このような巧妙な方法による詐取行為は、X社が把握できないものであった。
  • 税務署は、従業員G以外の者が下請業者の実態や施工の確認を行っていれば容易に把握できた旨主張するが、年間800件の工事を受注するX社において、少額な工事を担当する下請業者をはじめ、全ての下請業者の実態や施工の確認などを随時把握させることなど現実的な対応ではない。
  • 以上のことから、X社の行為に「隠蔽・仮装」に該当する事実はなく、X社に重加算税が賦課されることは不当である。

国税不服審判所の判断

国税不服審判所の判断

両者の主張を聴取し、事実関係を調査した国税不服審判所は次のように判断しました。

  • 従業員Gらの申述並びに他の客観的証拠からすると、従業員GはHにおいて各外注工事を受注する意図がなく、また、Hには各外注工事を施工することができないにもかかわらず、従業員Gは、Hを各外注工事の下請業者とする各受注伝票を作成し、各請求書をX社に交付して各金員を支払わせたものと認められる。
  • これらの行為は、実際には存在しない外注費を、あたかもそれが存在するかのように装ったものであることから、従業員Gによる行為は通則法第68条第1項に規定する「仮装」に該当する。
  • しかし、従業員Gは、X社の経営に参画することや、経理業務に関与することはなく、その他特別に付与された業務や権限もなかったことからすれば、従業員Gの地位権限は、一使用人としての限定されたものであったと認められる。
  • また、本件行為は、X社の業務の一環として行われたものではなく、従業員Gが私的費用を請求人から詐取するために独断で行ったものと認められる。
  • 一方、X社においては、一定の管理体制が整えられていたものの、本件行為のような詐取行為を防止するという点では、管理・監督が十分であったとは認められない。
  • もっとも、職制上の重要な地位に従事せず、限られた権限のみを有する一使用人が、独断でX社の金員を詐取したという事件の事情に鑑みれば、従業員Gに対するX社の管理・監督が十分ではなく、本件行為を発覚できなかったことをもって、本件行為をX社の行為と同視することは相当ではない。
  • 以上の点を総合考慮すれば、従業員Gによる本件行為を納税者たるX社の行為と同視することはできないと判断するのが相当であり、重加算税の賦課決定処分は、その全部または一部を取り消すべきである。

従業員の不正行為で、法人へ重加算税が課されない場合の判断基準

いかがでしょうか。
前回の従業員の不正であっても法人に重加算税が課された事例(法人税調査)と類似する事案でしたが、前回の事例では、従業員が「会社の経理事務を担う重要な地位にいた」ということから、不正を犯した従業員の行為を法人の行為と同視して、法人に重加算税が賦課されていました。

しかし、今回のように、職制上の重要な地位や権限を与えられておらず、法人の重要な経理帳簿の作成等を任されていない一使用人の不正に関しては、法人の行為と同視することはできず、法人に重加算税が賦課されることは相当ではないと判示されました。

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