お知らせ・ブログ
News&Blog
税務調査の教科書 Vol.4
2025.10.09
なぜ調査は長引く?予定の2日が4日になったE社の悲劇
秋の税務調査のピークに合わせての特集メルマガ。
前号「税務調査の教科書 Vol.3」に引き続き、税務調査をテーマにして連続シリーズを展開しています。その4回目。
税務調査の日程が決まると、次に気になるのが「調査期間」です。
調査に要する日数は、会社の規模によって異なりますが、通常は連続した2~3日間を指定されることが多いです。
この期間、調査官は会社を訪れ、帳簿の確認やヒアリングを行います。
しかし、この「予定日数」は、あくまでスムーズに進んだ場合の話。
準備不足が原因で、調査が長引いてしまうケースは少なくありません。
【1】準備不足で調査が倍に…業務が完全ストップしたE社
(これはフィクションです。)
飲食店を多店舗展開するE社。
経理は社長の奥様が一人で担当していました。
調査の事前準備について当事務所からアドバイスしたものの、「日々の業務が忙しくて…」と、なかなか手が回らない状態でした。
そして調査当日。
調査官から「〇〇の契約書を見せてください」と言われても、どこにあるかわからない状態。
〇年の領収書を見せてくださいと言われても見つかりません。
書類を探したり、記憶を辿ったりする時間ばかりが過ぎていきました。
その結果、当初2日間の予定だった調査は、結局4日間に延長。
その間、奥様は調査対応に付きっきりになり、請求書の発行や支払い業務など、通常の経理業務が完全にストップ。
会社全体に大きな支障が出てしまいました。
【2】調査を長引かせないための鉄則
E社の悲劇を繰り返さないためには、以下の2点が不可欠です。
(1)資料の事前整理
調査官に言われた資料を、できるだけ早くに出せる状態にしておくのが理想です。
総勘定元帳、契約書綴り、請求書控え、領収書などの基本的な会計資料は、年度ごと・月ごとにファイリングを徹底しましょう。
そして、調査の時は、これらの書類を年度ごとに会議室等に並べておくと効果的です。
このように整然と確認資料が整っているだけで、調査が早く完了するだけではありません。
以前、調査の立会をしたときに、『資料がこんな風にそろっていると、全部見なくても良いかな、という気にさせますね。』調査官から言葉が漏れました。
また、私が修業時代に勤務した会計事務所は、所長が税務署OBでしたが、『調査の時は、書類を年度ごとに会議室に整然と並べなさい。』とよく指導を受けました。
(2)想定問答の準備
「この大きな修繕費の内容は?」「社長の交際費が多い理由は?」など、税務署が疑問に思いそうなポイントについて、事前に税理士と打ち合わせをし、回答を準備しておきましょう。
調査官の見るポイントは『仕入や外注に対応する売上の計上漏れ・期ずれ』『架空人件費』『交際費・資産計上・給与課税といった経費の判断』『消費税の課税非課税判定』など多岐にわたります。
これらのポイントに合わせて、調査官からの質問を想定して、回答を考えておきましょう。
「通常は2~3日間」で終わるはずの調査です 。それを長引かせるか、スムーズに終わらせるかは、調査日当日までの「準備」にかかっているのです。
以上、ご参考にしてください。
東京・銀座で資金調達や税務会計でお困りの方は、お気軽にご相談ください
東京・銀座の税理士法人レガートでは、資金調達から税務会計、経営コンサルティングまで税理士の枠を超えてご支援します。
また、レガートのコンセプトは、『税務調査が来ない申告』です。
全ての税目において、税務調査が圧倒的に少ない点が当法人の申告の特徴であり、多くのお客様にその価値を実感いただいております。
詳しくは下記のページをご覧ください。
レガートが目指す税務調査が来ない申告
https://www.legato-ta.jp/service/no_tax_investigation.html
税理士法人レガート 税理士 土田拓己
税理士法人レガートは、中央区銀座より様々な情報発信をしております!
税務に関するご相談、税理士をお探しのお客様は、お気軽にご連絡ください。
詳しくは「税理士法人レガート公式サイト」をご覧ください。