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個人の不動産賃貸業の必要経費

2021.02.17

所得税法上の必要経費

今年も所得税の確定申告の時期となりましたが、まずは所得税法における「必要経費」とはどのように定義されているのか確認してみましょう。

必要経費を定義する「所得税法第37条」では、事業所得・不動産所得及び雑所得の金額を計算する上で、必要経費に算入できる金額は、次の金額と定められています。

  1. 総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
  2. その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額

つまり、収入(売上)に直接対応する原価や費用、及び、事業や業務に関連する販売費・一般管理費とされていますが、過去の裁判例等を見ても、事業活動との「直接性」を有することが必要であるとされています。

ゴルフ接待費用は直接関連性がないとして経費否認!

個人で不動産賃貸業を営むA氏が、テナントの代表者や銀行員をゴルフ場で接待した費用を必要経費として確定申告したところ、後日の税務調査でゴルフの接待は不動産賃貸の業務とは直接関連性がないため、必要経費としては認められないと否認されました。

A氏の主張は次の通りです。

  • 賃貸物件の補修の必要性や家主に対するクレーム等を把握することができる。
  • これらの情報を得て対処することで、優良なテナントに長く貸し付けることができる。
  • 様々な情報を得ておくことで賃貸物件の購入を容易にすることができる。
  • 購入資金の融資の際に有利になるよう、かつての勤務先である銀行の後輩等を接待したものである。

ところが、実際にはテナントの代表者や銀行員をA氏が接待した事実はなく、ほとんどが個人的なプレー代であったことから、A氏個人の趣味嗜好としての家事上の支払いであるとして、必要経費が否認されました。
そもそも、業務に関連しないものでしたので、これだけですと何ら教訓にならないのですが、実はこの事案で国税不服審判所は、テナント代表者や銀行員とのプレーに係る費用についても判断を下していたので、こちらをご紹介します(平成22年4月22日裁決)。

国税不服審判所の判断

  • テナントの代表者やその関係者について、不動産賃貸業者であるA氏が業務遂行のためにゴルフで接待することに直接の関連性があるとはいえない。
  • 賃貸物件の補修の必要性や、家主であるA氏に対するクレーム等を把握するために、これらの者とゴルフをする必要があったとは認め難く、A氏の不動産所得に係る業務の遂行上、これらの者とゴルフをしなければならない必要性は認め難い。
  • かつての勤務先銀行の後輩等とゴルフをすることによって、間接的に、不動産貸付業に有益な情報が得られる場合があるとしても、これらの者とゴルフをすることが、業務の遂行上直接必要であったとまではいい難い。
  • 本件ゴルフ代は、結局のところ、請求人の趣味・嗜好としてのゴルフプレーのために支出された家事上の経費であると評価せざるを得ず、A氏の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできないというべきである。

いかがでしょうか。
不動産賃貸業者が「情報収集のためにゴルフで接待した」という理由でゴルフのプレー代や食事代などを必要経費にすることは、上記裁決からかなりリスキーであることが読み取れます
不動産所得を申告する方にとっては、不動産の家賃や地代が「収入」になります。その「収入」を得るためにゴルフのプレーは必要ないと国税当局は判断しているのです。

ゴルフに限らず飲食に関しても同様の判断が下されます
不動産賃貸業以外の個人事業主の場合にはいろいろな収入があり、その収入を得るための活動は多岐に渡ります。その一環としてゴルフや飲食があることも考えられ、必要経費として認められるケースが出てきますが、不動産賃貸を営む方にとっては上記の通り必要経費の範囲が非常に狭いと国税当局は考えています。
必要経費は「収入に直接関連する」という点がポイントです。

今後のご参考になれば幸いです。

税理士法人レガート 税理士 服部誠

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