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開業医が他の医師等に贈る中元・歳暮は経費になるか?

2017.11.15

今回は、個人事業を営む開業医が、他の医師等に贈った御中元や御歳暮の支払いが事業所得の必要経費になるか否かで争われた事案をご紹介します。(平成22年2月18日裁決)

事案の内容

事案の内容は次の通りです。

  • 医業を営むAに対して所得税の税務調査が行われ、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入した交際費の金額について、一部は事業の遂行上必要なものとは認められないとして否認された。
  • 具体的には、他の医師等に対する中元や歳暮の費用が問題となり、税務署はいずれも必要経費に算入できないとして更正処分を行った。
  • Aは税務署の更正処分に不服があるとして審査請求を行った。

税務署の主張

税務署の主張は次の通りです。

  • 患者の受入れや情報提供の御礼を目的として、■■■■等の医師及び開業医等に中元や歳暮を贈答しているとしているが、本件調査において、患者の受入回数など具体的な説明はなく、贈答の目的が明確にされていない。
  • 中元等の金額は、客観的にみて、収入金額を得るため直接に要した費用又は所得を生ずべき業務について生じた費用ではなく、業務の遂行上直接必要であった部分を明らかにすることもできない支出であることから、必要経費とは認められない。

納税者の主張

一方の納税者の主張は次の通りです。

  • 当診療所は、1日平均180人程度の外来患者の診療を行っているが、患者は高齢者が多く、■■■■以外の疾病の有無等の診断のために他の診療所等を紹介したり、また、その逆に他の診療所等から■■■■の診断を依頼されることもある。
  • 患者紹介のために診療情報提供書を作成した場合は、診療代とは別に、1回当たり■■円の診療情報提供報酬が得られ、当診療所の収入となっている。
  • 以上の通り、本件中元等の費用は、医者同士の患者紹介等を円滑に行うために必要なものであることから、必要経費に算入すべきである。

国税不服審判所の判断

最終的に国税不服審判所は次のような判断を下しました。

  • 当該診療所では新規患者の名簿を備え付けており、その名簿の「診療科名」欄には、当該患者を紹介した医院名等が記載されている。
  • 平成17年分及び平成18年分に係る上記の名簿には、別表記載の贈答先54名のうち20名の者の医院名等が記載されている。
  • 別表記載の贈答先の者の職業は、開業医34名、総合病院及び大学の医師16名、レントゲン技師1名、院外薬局関係者2名及び公認会計士1名であり、これらの者は、患者の紹介元の開業医等、患者の紹介先の開業医等、診療等を臨時に依頼した非常勤医師やレントゲン技師、医師の派遣を受けるための関係者、取引先である院外薬局の関係者及び関与する公認会計士である。
  • 本件中元等の贈答先は、上記の通り、■■■■の患者の紹介元の開業医等、患者の紹介先の開業医等及び診療等を臨時に依頼した非常勤医師やレントゲン技師などであることから、これらの支出は、Aの医療業務を円滑に行うことを目的とするものであると認められる。
  • そうすると、本件中元等の費用は、客観的にみて、Aの医療業務に直接の関連を有し、かつ、当該業務の遂行上通常必要な支出であると認められるので、必要経費の金額に算入するのが相当である。
  • 結果としては、国税不服審判所は納税者の主張を全面的に認め、税務署の更正処分を取り消しました。

 

お中元やお歳暮といった贈答品を必要経費に算入するためには、贈答先が業務に関連する相手であり、その業務内容を明らかにすることが必要であることを、本件裁決では明示しています。
贈答先を明らかにできない、あるいは、業務に関連性のない親戚や友人知人への贈答などは、当然ながら経費としては認められませんので注意が必要です。

これからお歳暮の季節となりますが、後日の税務調査で慌てることのないよう、送り先リスト等の整備もしっかりとしておきたいものです。
今後のご参考になれば幸いです。

税理士法人レガート 税理士 服部誠

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