2014.02.12 税務調査

税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。（Vol.65）

 

■「元公務員の兄弟を脱税で告発（名古屋国税局）」

 

新聞発表によりますと、名古屋国税局は昨年の１２月２５日、池谷和博元京都府

理事（64歳）と池谷善博元横浜市課長（62歳）の兄弟を相続税法違反の疑いで静岡

地検に告発しました。

 

静岡県藤岡市で不動産業や賃貸業、中小企業向け融資などを営んでいた父親が

2011年9月に死亡。その際、不動産、預金、国債、生命保険など約20億円を、母親

を含む3人で相続しました。

 

兄弟は、相続した20億円のうち父親が家族名義で購入した国債や生命保険、預金

など約9億円を申告せず、相続税約4億5000万円を免れた疑いがあります。

 

名古屋国税局は、「兄弟の意図的な資産隠しがあった」と判断し、告発に踏み切

りました。

母親は相続手続きを兄弟に任せており、脱税に関わっていなかったと名古屋国税

局はみているようです。

 

 

１月のメルマガ（63回、64回）でもお伝えしましたが、金融資産に関しては税務

署は驚くほど情報をつかんでいます。

故人（被相続人）はもちろんのこと、相続人やその家族の預貯金まで、しっかりと

調べ上げています。

 

今回の資産隠しが、単なる意図的な除外であるとすると、“あさはか”としか言い

ようがありません。

兄弟はいずれも元公務員です。兄は2009年3月に京都府農林水産部理事を退職し、

府外郭団体役員を経て、現在は木材事業者団体の役員を務めているといいます。

また、弟は2012年3月まで横浜市戸塚区福祉保健センター保護課長を務めていまし

た。

 

元公務員でしかも兄弟による脱税容疑は極めて異例なケースだったといえます。

 

（つづく）

 

今回もお読みいただきありがとうございました。

税理士法人レガート　税理士　服部誠

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