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「仮装・隠ぺいの定義とは?」
2013.10.27
税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。(Vol.56)
■「仮装・隠ぺいの定義とは?」
税務調査でもっとも問題になりやすい項目の1つが、重加算税です。実際のとこ
ろ、国税庁が公表している統計によると、法人に対する税務調査のうち、約2割に
重加算税が課されているのが実態なのです。
重加算税の法的要件は簡単にいうと、「仮装」または「隠ぺい」と認定される行
為をしたことです。「仮装」とは、請求書の数字を書き換えるなど、何かをねつ造
したり偽造したりすること。また「隠ぺい」とは、本来ある請求書を隠したりする
ことです。
ただし、これらはあくまでも例示であって、1つの行為を「仮装または隠ぺい」
に該当するのかどうかを判断・判別するのは殊のほか難しいのもまた事実です。
例えば、毎月払っている外注先に対する支払い。これがたまたま、ある月だけ帳
簿に2重に計上されていたとしましょう。つまり、一部の経費が2倍になっていた
わけです。
この事実を調査官が見つけた場合はこう言うでしょう。「経費の2重計上ですね。
これは仮装行為になりますので重加算税ですよ!」
しかし、実際のところはどうなのでしょうか?経費を増やして税金を減らしたけ
れば、そんなバレバレのことを本当にするものでしょうか?
おそらく、真相はこうでしょう。「取引先からの請求書を誤って2回入力してし
まった。そして、決算のときに気付かずにそのまま申告してしまった。」
これが真実なのだとすれば、ただのミスなわけです。ミスに重加算税という罰則
が課されるのはおかしいとは思いませんか。
確かに法律上は「仮装または隠ぺいの場合は重加算税」と規定されているのです
が、何が「仮装」で何が「隠ぺい」なのか、またそうでないのかの線引きは、もは
や言葉の定義によるわけです。
ここでわかりやすい線引きは、「わざとやったかどうか」だと覚えておいてくだ
さい(あくまでもわかりやすく説明しています)。
言葉を考えてみてください。「わざとじゃない仮装」というのはあり得ませんよ
ね。「うっかり隠ぺい」もないわけです。「仮装」や「隠ぺい」と認定するために
は、「わざとやったこと=故意」が要件となるわけです。
上記の例でいうと、調査官が重加算税だと主張してきた場合、こう反論すること
です。「ちょっと待ってください。これはどう考えても、ただのミスでしょう。本
当に脱税したければ、同じ日に同じ金額で同じ取引先に対して支払った入力しない
ですよ!」
つまり、ミスであることを主張し、ミスであることを認めさせれば重加算税は課
されないのです。
(つづく)
今回もお読みいただきありがとうございました。
税理士法人レガート 税理士 服部誠
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