相続専門税理士 服部 誠 の「相続情報マガジン」
未成年者控除と障害者控除
2023.02.13
相続税を計算する際に、相続人の中に未成年者や障害者がいらっしゃる場合には、相続税額が少なくなる制度があります。
これらの制度は、未成年者や障害者の方はもちろんですが、他の相続人の方の相続税額にも影響する制度となっていますので、是非、押さえておいてください。
未成年者控除と障害者控除の位置付け
相続税の計算をする過程では「基礎控除」や「配偶者の税額軽減」といったいろいろな控除の制度がありますが、未成年者控除と障害者控除は、該当する人が納める相続税額から直接控除することができる「税額控除」になります。
位置付けとしては、「相続税の総額」から取得財産の割合に応じて「各人の相続税額」を計算し、その各人の相続税額から控除するものになります。
控除金額が納付税額から直接差し引くことができるため、その効果は非常に大きいものになります。
未成年者控除とは
未成年者控除とは、相続人が未成年者の場合に相続税の額から一定の金額を差し引くことができるもので、具体的には次のすべてに当てはまる人が対象になります。
- 相続や遺贈で財産を取得したときに日本国内に住所がある人
- 相続や遺贈で財産を取得したときに18歳未満である人
- 相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人であること
そして、未成年者控除の控除額は、その未成年者が満18歳になるまでの年数1年につき10万円で計算した額です(1年未満の端数は切り捨てて計算します。)。
例えば、未成年者の年齢が11歳6か月の場合は、6か月を切り捨て11歳で計算します。この場合、18歳までの年数は7年になりますので、未成年者控除額は10万円×7年で70万円となります。
なお、未成年者控除額が、その未成年者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引き切れない場合には、その引き切れない金額はその未成年者の「扶養義務者」の相続税額から引くことができることとなっています。実務ではよくありますので注意が必要です。
障害者控除とは
障害者控除とは、相続人が85歳未満の障害者の場合に相続税の額から一定の金額を差し引くことができるもので、具体的には次のすべてに当てはまる人が対象になります。
- 相続や遺贈で財産を取得した時に日本国内に住所がある人
- 相続や遺贈で財産を取得した時に障害者である人
- 相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人であること
そして、障害者控除の控除額は、その障害者が満85歳になるまでの年数1年につき10万円(特別障害者の場合には1年につき20万円)で計算した額です(1年未満の端数は切り捨てて計算します。)。
例えば、一般障害者である相続人の年齢が43歳8か月の場合は、8か月を切り捨て43歳で計算します。この場合、85歳までの年数は42年になりますので、障害者控除額は10万円×42年で420万円となります。
そして、未成年者控除額と同様、障害者控除額がその障害者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引き切れない場合には、その引き切れない金額はその障害者の「扶養義務者」の相続税額から引くことができることとなっていますので、引き忘れがないよう注意が必要です。
【参考】扶養義務者とは、配偶者、直系血族及び兄弟姉妹のほか、3親等内の親族のうち一定の者(民法第877条)をいいます。
以上、ご参考になれば幸いです。
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