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相続専門税理士 服部 誠 の「相続情報マガジン」

扶養義務者間の生活費・教育費の贈与

2023.01.10

相続税の節税対策の王道として「生前贈与」が挙げられますが、贈与の仕方を工夫することで非課税で現金を贈与できる方法があります。それが「扶養義務者間の生活費・教育費の贈与」です。
今回は非課税で贈与できる「扶養義務者間の生活費・教育費の贈与」の内容と注意点を解説いたします。

扶養義務者間の生活費・教育費の贈与

個人間においてお互いに贈与の認識があって財産が移転した場合には、原則として贈与された側(受贈者)に贈与税の納税義務が発生します。
しかし、「扶養義務者」から生活費や教育費として贈与された財産で一定のものに関しては、贈与税の課税対象とならないということが相続税法で定められています。

相続税法第21条の3(贈与税の非課税財産)

次に掲げる財産の価額は、贈与税の課税価格に算入しない。
二 扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの

「贈与税の課税価格に算入しない」ということは、贈与税が「非課税」になるということです。
従って、仮に年間の授業料や仕送り等の金額が、贈与税の基礎控除額である110万円を超えたとしても、それが相続税法第21条の3第1項第二号に定める「生活費」や「教育費」であれば、贈与税の心配はまったくないということになります。

扶養義務者とは

相続税法で定める「扶養義務者」とは、「配偶者」及び「民法第877条に規定する親族」をいうとされています(相続税法第1条の2)。
従って、相続税法における「扶養義務者」は、次のように整理することができます。

  1. 配偶者、直系血族及び兄弟姉妹
  2. 家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族
  3. 三親等内の親族で生計を一にする者

この扶養義務者については、扶養義務を履行する順番や資力の条件等の定めは示されておりません。

そこで、祖父母と孫という関係を考えてみましょう。祖父母と孫の関係は「直系血族」に該当します。つまり、祖父母と孫はお互いに「扶養義務者」に該当することになります。そのため、祖父母から孫に対する生活費や教育費に充てるための資金の贈与は、一定の要件を満たす場合には贈与税が非課税とされているのです。

子どもの生活費や教育費は子どもの親が面倒をみるのが一般的だと思いますが、祖父母が孫の生活費や教育費を負担する場合も、税法上は扶養義務の範囲と考えて贈与税は非課税とする取扱いになっています。
ただし、生活費や教育費が目的であっても、下記の通り、「必要な都度・必要な金額」の贈与に限り非課税となるので注意が必要です。

相続税法基本通達21の3-5(生活費及び教育費の取扱い)

法第21条の3第1項の規定により生活費又は教育費に充てるためのものとして贈与税の課税価格に算入しない財産は、生活費又は教育費として必要な都度直接これらの用に充てるために贈与によって取得した財産をいうものとする。

生活費・教育費とは

「生活費」は通常の日常生活を営むのに必要な費用をいい、治療費や養育費などを含みます
一方の「教育費」は被扶養者の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具費をいい、義務教育費に限られていません。高校・大学・各種専門学校・塾などに関わるものも全て含まれます
これらの「生活費」や「教育費」に充てるために、扶養義務者から必要な都度贈与されたものが「贈与税の課税価格に算入しない」、つまり「非課税」になるものとされています。

なお、「通常必要と認められるもの」とは、被扶養者の需要と扶養者の資力その他一切の事情を勘案して、社会通念上適当と認められる範囲のものとされており、非常に曖昧な表現となっています。
生活水準や教育水準は各家庭によって異なりますので、「通常必要と認める金額」の基準をどこに置くのかがよく議論となりますが、実務上は各家庭の水準に応じて判断するとされています。つまり、その家庭における通常の生活や教育に必要なものが「通常必要と認められるもの」と考えられるため、その生活水準を超えた必要以上な金額の贈与でなければ非課税として認められているのが実態です。

但し、「必要な都度」「必要な金額」の贈与であることが前提となりますのでご留意ください。
以上、ご参考になれば幸いです。

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