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相続人が海外居住者の場合、日本への納税義務は?

2020.11.20

相続人が海外居住者の場合、日本への納税義務は?

仕事や結婚を機に、海外に居住する人が年々増加しています。
そのため相続が発生した際、相続人の中に海外居住者がいるということも珍しくありません。
海外居住者は日本へ相続税を納税する義務はあるのでしょうか。

今回は、「相続人が海外居住者の場合の納税義務の有無」についてご紹介いたします。

前提条件として

  • 国内に居住している父が他界し、これから相続人(母・長男・次男)で遺産分割協議を行う。
  • 父の遺産は国内の財産(不動産や預貯金、有価証券など)と国外の銀行の預金がある。
  • 次男は日本国籍だが、5年前から海外(米国)に居住している。

この場合、国外の財産は課税対象にあるのでしょうか。
また、海外に住んでいる次男が父の財産を相続した場合も、日本の相続税がかかるのでしょうか。

国外の財産は日本の相続税の課税対象となるのか?

相続等で財産を取得した際、海外に居住していて日本に住所がない人(非居住者)は、相続で取得した財産のうち日本国内にある財産だけが相続税の課税対象になります。

ただし、次のいずれかに該当する場合には、日本国外にある財産についても相続税の対象になります。

国外の財産が日本の相続税の課税対象となる場合

次の条件に当てはまる方は、国外の財産でも日本の相続税を納税する義務があります。

(1)相続人が相続開始時に日本国籍を有している人

  • 被相続人の死亡した日前10年以内に日本国内に住所を有したことがある場合。
  • 同期間内に住所を有したことがなく被相続人が「一時居住被相続人」又は「非居住被相続人」でない場合。

(2)相続開始時に日本国籍を有していない人

  • 被相続人が「一時居住被相続人」、「非居住被相続人」又は「非居住外国人」でない場合。

「一時居住被相続人」「非居住被相続人」「非居住外国人」の定義

なお、上記の「一時居住被相続人」「非居住被相続人」「非居住外国人」の定義は次の通りです。

【一時居住被相続人】

相続開始時に在留資格を有し、かつ、日本国内に住所を有していた被相続人で、相続開始前15年以内において国内に住所を有していた期間の合計が10年以下の者。

【非居住被相続人】

相続開始時に日本国内に住所を有してなかった被相続人で下記のいずれかの条件が当てはまる者。

  • 相続開始前10年以内に日本国内に住所を有していたが相続開始前15年以内において日本国内に住所を有していた期間の合計が10年以下の者。
  • 相続開始前10年以内のいずれの時においても日本国内に住所を有していなかった者。

【非居住外国人】

日本国籍のない者で、相続開始前15年以内において日本国内に住所を有していた期間の合計が10年以下の者。

海外居住者は日本へ相続税の納税義務があるのか?

海外居住者が相続する場合、日本へ相続税の納税義務は発生するのでしょうか。

実は、平成29年2月までは納税義務の対象者は比較的緩いものでした。
しかし、人と財産を国外に移転して相続税や贈与税の課税を回避するという租税回避行為が横行したため、平成29年3月の税制改正で非常に複雑で厳しい内容になりました。

現在の相続税の納税義務の範囲をまとめると、次の図表のようになります。

相続税の納税義務の範囲

現在の相続税の納税義務の範囲

海外居住者である、次男の相続税の納税義務について

海外居住者である次男は、日本国籍を有しており、5年前から海外に居住していました。つまり、相続開始前10年以内には国内に住所を有していたということになります。
そして、被相続人である父は国内に居住していましたので、上記図表の「(A)*(1)」に該当することになります。

従って、次男に関しては国内及び国外すべての遺産に対して日本の相続税が課されることになります。

国外の財産相続や海外居住者が相続人の場合は専門家へ

相続税法の改正により、海外居住者に関する相続税や贈与税の納税義務範囲が広がっています。また、所有している財産が国外のものであっても、相続人によっては納税義務が発生します。そのため、申告財産の判定は慎重に行うことが必要といえます。

国外の財産相続や、海外居住者が相続人の場合は相続の専門家へ相談しましょう。
相続専門の税理士法人レガートでは、相続税のプロである税理士が、節税を意識しながら、相続税に関わる問題解決に向けて、しっかりとご支援いたしております。
ぜひ、お気軽にご相談ください。

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