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私道の相続税評価で最高裁が納税者に軍配

2017.05.19

相続した土地のうち、私道として使われている部分の財産評価をめぐって納税者と自治体が争っていた裁判で、最高裁は2月28日、自治体側の主張を全面的に認めていた高裁判決を破棄し、さらなる検討を命じる審査差し戻しの判決を下しました。

最高裁の判断は、相続税の評価減が認められる「私道」に該当するか否かは、建築基準法に定められた定義に当てはまるかどうかだけではなく、『さまざまな事情を鑑みて総合的に下すべき』というものです。私道と認定されれば税負担は7~10割減となるため、裁判の結果は不動産相続に大きく影響しそうです。

市の指導で「道」として整備

原告である納税者は、平成20年に神奈川県相模原市のアパートの敷地を相続しました。
その土地には、コンクリートで舗装された幅員2メートルほどの私道部分が含まれていました。
これはアパートを建設する際に、相模原市から公道に接する形で整備するよう指導されたためです。
公道との間には小さな段差があるものの特段仕切りなどはなく、車道に付随した歩道として、アパートの住人だけでなく不特定多数の人が利用可能な状態になっていたといいます。さらに係争が行われている最中の平成25年からは、近隣の小学校の通学路にも指定されています。

相続財産の評価方法を規定した財産評価基本通達では、こうした私道として利用されている宅地を「私道供用宅地」として、
①行き止まりの生活道路など、特定の人間が通行するものについては評価を7割減
②通り抜け道路のように不特定多数の人が通行するものについては0円で評価する
と定めています。

原告は相続税の申告に当たって、まず②のゼロ評価私道として申告書を提出しましたが、その後①の7割減私道だと修正して申告をし直しました。
しかし税務署は「アパートの敷地の一部であり、そもそも私道ではない『貸家建付地』である」として減額特例の適用を認めず、更正処分を決定しました。
その決定を不服とした原告が訴えを起こしたものです。

建築基準法だけでなく総合的に考えるべき

地裁、高裁の判決ではともに自治体側の訴えが認められ、納税者が敗れました。
その理由は、私道に当たるか否かは建築基準法で定められた「道路」に該当するかのみが要件であり、建築基準法の道路とは、道路内に建築制限があったり変更の制限などがあったりして、他の用途に転換することが法的にできないものを指すと説明。それを踏まえて原告のアパート前の私道は、「利用形態を任意で変更でき、通常の宅地と同様に利用することができる将来の可能性がある」と認定しました。
市からの指導によって道路上に整備したという事情は勘案されなかったわけです。

しかし最高裁では、それらの判断を覆しました。
私道に当たるかどうかは「建築基準法などの法令の制約の有無だけではない」として、「宅地の位置関係や形状、道路としての利用状況などを踏まえて、総合的に、他の用途に転換することが難しいかを考えるべき」との判断を示しました。

これまでの判決は「法令による制約がないこと」のみをもって私道に当たらないと認めましたが、その前提が間違えているとして、最高裁は審理を高裁に差し戻し、他の事情を鑑みたうえで改めて原告の土地が私道に当たるかどうか審理を尽くすべきとしました。

今後の土地評価の参考になれば幸いです。

税理士法人レガート 税理士 服部誠

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