2015.08.12 税務調査

税理士法人レガートの“税務調査ブログ”。（Ｖｏｌ．98）

 

■「マルサの〝お手柄〟公開」

　毎年恒例の「マルサのお手柄」が今年も発表になりました。（「マルサ」とは、査察の「査」を丸で囲んだ字からきた隠語です。）

　脱税者による資産隠しはテレビドラマそのもので、「あんな場所に、こんなモノ」という代表的な事例が公開されています。どれだけ頭を絞って隠したつもりでも、鍛え抜かれた査察官の目をごまかすことは簡単ではありません。

　とくに今年度は検察庁との連携強化を図り、「悪質な脱税者に厳正に対応した」と力を入れたといいます。どこに隠しても「全部お見通し」ということのようです。

　平成26年度に処理した査察事案に係る脱税額は総額で149億7500万円、告発分は123億4600万円で、ともに前年度を若干ながら上回りました。ですが、平成22年度の脱税額248億円（告発分213億円）から比べると、大幅に低くなっています。

　着手件数は194件、処理件数は前年度比5件減の180件でほぼ例年どおり。マルサの〝成果〟のとして注目される「告発件数」は、分母の減少からか 112件 と、前年度を下回りました。そして重要な「告発率」も 3年連続で減少傾向にあり、7割超を記録した平成22年の72.2％と比べて10ポイント減の 62.2％にまで落ち込みました。この数字は、平成23年の61.9％を除くと昭和48年の61.1％以来の低さとなります。

　また、26年度中に一審判決が言い渡されたのは 98件で、そのうち有罪となったのは 96件。実刑判決は11人に出されました。有罪率は長年にわたり100％を誇ってきましたが、24年度に1件の無罪判決が言い渡されことで99.2％となり、翌25年度も１人の無罪で99.1％でした。なお、実刑判決のうち最も重いものは懲役３年でした。

 

　最後にマルサが実際に発見した資産の隠し場所を紹介しましょう。

◯車のトランク内にあるスペアタイヤの中

◯風呂場の天井裏

◯引出しが細工された箪笥の中

◯電気ポットの中

◯蛍光灯の内側

◯食器棚の土鍋の中

◯本棚に並べた書籍ケースの中

◯中身をくり抜いた漫画・雑誌の中

◯庭に埋められた金塊

◯自宅のコンクリートの下

　マルサも驚愕した数々の隠し場所ですが、ガサ入れの時は隠し資産がどれ位あるかを予め見込んで入り、見つかるまで徹底的に追及するそうです。

　「逃げ切ることは絶対できない」というのがマルサ経験者からの忠告です。

 

（つづく）

 

今回もお読みいただきありがとうございました。

税理士法人レガート　税理士　服部誠

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